モンスターズクラブ
実在の爆弾魔・ユナボマーにインスパイアされ生み出された本作。他人との接触を避け雪深い山奥に一人で暮らす主人公・良一は企業やテレビ局に自作の爆弾を送り続ける生活をしている。すべては社会のシステムが悪いのだと自らを正義と信じ、総理大臣に爆弾を送りつけようと決意する彼の前に、異形のものと亡き家族が現れ、そこから展開が変わっていく。物語自体は自己完結の形をとっているが、生と死を見つめ「その先」を考えさせられる展開はポジティブな余韻にひたれます。
『生きていない』ものに教わった『生きている』ということ
劇中に登場する人間のほとんどが『生きていない』ものとして描かれている本作。しかし全ての悪いことは社会や他人のせいにして生きてきた主人公は後に自分の甘さを看破され『生きている』ということを実感する。重いモチーフから希望が生み出される映画です。